日本財団 図書館


 

セッション 4

がん原性試験

司会 高橋 道人 (国立衛試)

   増田 裕(三共)

セッション 5

トキシコキネティクスと反復投与組織分布試験

司会 大野 泰雄 (国立衛試)

   堀井 郁夫 (日本ロシュ)

セッション 6

バイオ医薬品の安全性試験

司会 井上 達 (国立衛試)

   牧 栄二 (ヤンセン協和)

 

6.内容等

医薬品開発のための毒性試験は、現在各国で基準が異なる。従って、ある国で認可された医薬品も、これを他国で使用したい場合には、当該国の規準にのっとって毒性試験をやり直さなければならない。これは、重大な不都合であり、治療できるはずの疾病が手遅れになる可能性もある。このような問題を回避するため、「医薬品規制に関する調和国際会議(ICH)」では国際的に通用する毒性試験が討議され、最近になって、そのガイドラインが示された。今回のシンポジウムでは、このICHガイドラインを我が国で如何に実践し、どのようにすれば有効に運用できるかを、毒性試験を企画・実施する者、試験データを評価・審査する者、それらの研究者を教育・育成する者、すなわち官民学の立場から多角的に討議した。

本シンポジウムでは、ICHガイドラインの本質の理解を深め、より有効に運用するための課題をピックアップし、討議の内容を6つのセッションに分け、各試験の進め方、ケースバイケースの対応など、ICHガイドラインの実践におけるポイントを、事例紹介を含めて討議した。各セッションは、事前に編成したワーキンググループにおける討議内容を数名の代表者によって紹介し、これを叩き台にして討議するという方法をとった。497名もの参加者が集まったことからも分かるように、本シンポジウムで取り上げたテーマに対する関心の高さが伺えた。これら多くの問題を、参加者自信が所属する研究所等、職場に持ち帰って、さらなる討議を行い、ICHガイドラインが「より科学的に、より効率的に、より主体的に」実践されることが、本シンポジウムのねらいである。その意味で、十分な啓蒙的な役割を果たしたと考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION